オリーブ

モクセイ科 / 常緑高木 / 中近東~地中海沿岸
日当たりを好み、潮風にも強いので海岸沿いの地域でも栽培できる。
実をつけるには、異品種をそばに植える事。
銀色の葉と樹姿が美しいので庭木・鉢植で観賞樹など利用範囲は広い。

日照条件 日なた
耐寒性 普通
耐暑性
受粉樹 必要
繁殖方法 挿木・接木

品種・特性

オリーブは、世界中で約700種以上あるとされていて、日本では50種程度栽培されているようです。

ミッション 晩生の中果で豊産性、自家結実性少しあり直立性で庭 木向き
マンザニロ 早生の中果で豊産性、開張性の樹形
ネバディロブロンコ 早生の中果、花粉量多く受粉樹に、やや直立性

その他、レッチーノ・フラントイオ・ペントリーノ等々

気象条件

大変日当たりを好む木で、年間2,000時間以上の日照時間が必要です。
日照時間が不足すると、偏伸長枝が多くなります。

乾燥を好む植物ですが、果実の肥大の為には、適度の降水量(年間1,000mm程度)が必要です。
降水量の少ない地域では、潅水を行う。

適正温度は、年平均15℃前後とされていますが、比較的低温にも強く、耐寒温度は-10℃程度。
ただし、長時間低温が続くと枯れ死を招くので注意必用。
逆に着花には、冬に10℃以下を2週間程度合わないと着花し難くなります。

植え付け・管理

植え付け時期は、ポット苗の場合ほぼ周年可能ですが、露地物の場合、春(2月末~4月下旬)、秋(9月~11月初旬)に植え込みます。

特に土質は選びませんが、日当たり風通し排水の良い場所を選び深く耕し、完熟のバーク堆肥・石灰をよく混合します。
深植えにならないように植え込む。
浅根性の為、倒伏し易いのでしっかりと支柱を立てて固定し、十分に潅水する。

*排水の悪い粘土質土壌や地下水の高い湿地では生育不良となります。

病害虫と防除

最も問題になるのはオリーブゾウムシで、体長は1.5cm程度になり幹の皮層に潜入し食害します。
3月中旬から10月下旬にかけて発生します。
見つけ次第捕殺するようにします。

薬剤を散布する場合は、唯一の登録農薬であるスミチオン50倍液を、4月~8月にかけて幹と太い枝に3回程度散布する。
この時、葉や果実にかからないように注意する事。

その他、ハマキムシの発生する事があります。
病害では、炭そ病が発生します。
病害虫予防には、草ごみを取り除き樹下を清潔にする事。

剪定・施肥

1年枝の中間部のわき芽が、冬の低温に当たって花芽になり、翌年開花します。
新芽が伸びてきたら、2~3節を残して切り戻し、込み合った枝や、不定芽は切り落とします。
樹形を崩す徒長枝や枝が横に広がりすぎた場合は、かなり強く切り込んでも生育自体は影響はありません。

芽の動き始める2月下旬~3月上旬、開花後の6月上旬、収穫前の9月中旬~10月下旬に窒素・燐酸・加里をほぼ均等に含んだ肥料を与える。
また、1月下旬~2月にかけて、石灰を施用する。

結実管理

人工授粉、摘花は必要ありません。
実を付け始めた頃、葉10枚につき1果を目安に摘果をします。

収穫・利用法

オリーブの実は食用にするには、かなり面倒な手順が必要です。

1・・グリーンオリーブ

青い実を収穫してアク抜きをする。
沸騰したお湯にタンサンと実を入れて火を止め、6~7時間そのまままにしておきます。
このとき、空気に触れないようにしてください。
触れると黒くなってしまいます。この後、水で何度も洗ってアク抜きします。
このときも空気に触れない様に注意!ワラビのアク抜きと同じ手順です。
終わったら薄い食塩水(5%)に数日漬けます。それが終わったら濃い食塩水(10%)に漬け、砂糖を少し加えて半年ほど発酵させます。

2・・・ブラックオリーブ

実がほんの少し色付いた頃に収穫します。
アク抜きの手順は上と同じですが、空気に触れても問題ないです。
食塩水(5%)に漬け、ビンに入れビンごとゆでて殺菌します。
たけのこのビン詰めと同じ要領です。

 3・・・オイル

 一般家庭でオイルを搾るのは困難です。

4・・・苛性ソーダを利用しての渋味取り

苛性ソーダは劇物指定であり危険を伴う為、使用方法については記入を控えさせていただきます。